a mank
カフェの二階から通りすがりのチベット僧をパチリ

2005年からほぼ毎年インドを訪れるようになって早14年、インドで経験してきた数多くのハードな体験の中でも、これは1,2を争うほど常軌を逸したものでした。あまりネガティブな話は書きたくありませんが、ネガティブな中にも学ぶべきことがある、というコンセプトであえて記事を書こうと思います。(長いです)。


その日は次の宿に移動する日だった。ある程度快適なホテルをあえて出るには理由がある。どんなに快適と予想する場所でも、実際に泊まってみると、騒音や汚染物質、隣人のパーティー騒ぎなどで、全然寝れないとか、とても不快だ、と思うことがよくある(インドの場合)。なので、日本で宿をとる時、あえて二か所に分けたのだ。どちらの場所も毎年泊まるエリアで環境はよく分かっていた。先に泊まった中級のホテルで大きな問題はなし、次の場所は立地は分かっていたので、あとは部屋の状況次第だと思っていた。こちらはどうやら個人が部屋貸しをしているらしく、あるオンライン予約サイトを通して日本で予約していった。

移動の日の前の週に、すでに下見をして、ここでだろうと思う宿を見つけた。玄関の掃除をしている女性に確認したところ、どうやらそこらしいと思った。そして移動の前日、チェックインの時間を確認しておこうと再度訪問し訊ねてみると、なんと、そこは全く関係のない宿だった。さあ、大変。明日は移動日で、すでに夕方だった。信頼できる予約サイトを通して予約したが、はっきりとした住所の記載はなく、情報は「Cool Talk Café」の裏側、ということだけだった。小さな集落なので、片っ端から周りのゲストハウスを当たったが、どこに訪ねてもそのような宿は聞いたことが無いという。。。狐につままれたような感じとはこのことか、と思った。

少々焦りながら、Wifiのあるカフェに入り、宿に直接メールをした。場所を聞いてもきっと見つけられないだろうと思い、その「Cool Talk Café」まで誰かを向かえに送って欲しいと伝えた。すると、女性を送るが彼女は中に入れないとか、その辺で待ってくれとかあやふやな答えだったので、当日会えない不安を残したくなかったので、確実にカフェの中で私を見つけるようにお願いした。

そして約束の12:00になったが、いっこうに迎えは現れない。カフェは満席で入れず、昨日そこにWifiはあると担当者から聞いていたが、実際には無かった。
「本当に宿に辿り着けるのか?」というか、そもそもその宿は存在するのか?という不安を感じながら、30分ほど待ってから、大きな荷物をカフェの近くの宿に預かってもらい、いつもPCワークをしに行くWifiのあるカフェまで行った。
直ぐに連絡をすると、そのカフェで待つようにと言われた。
しかし、1時間待っても誰も来ない。そのうちようやく、その辺をふらついていた男性が私の迎えだと分かり、向こうは私を男性だと思っていて、私は「女性をよこす」と言われていたから、女性が来るものだと思っていたので、ずっとお互いに認識しあうことなく待ち続けていたのだ。

普通ならこの辺でストーリーは終わりそうなものだが、話はここからだ。(続きを読むへ)

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舗装されていない山道を通り、小さな集落へ連れていかれた

「Cool Talk Café」の裏手だと言うから、すぐに着くのかと思ったら、どんどん山を上がっていく。きちんと舗装もされていないような山道を進み、結局20分ほど山を上がらなければならなかった。こんな道、重い荷物をもって一人で行けるわけがない・・・

小さな集落に到着すると、一つの宿に案内された。
インド人の女性が明るく迎えてくれたが、私はどうしてそんなところに連れてこられたのかさっぱりわからず、訳を訊いた。すると、とりあえず今日はそこに泊まって、明日の朝9時に例のカフェの後ろの宿に入れるとのこと。日本から現地の相場よりも高い金額を払って予約してきたのに理不尽だと思いながらも、仕方がないのでその晩は、恐らく払った金額の5分の一位の安宿に泊まった。(後でその女性から聞いて分かったが、私の予約が現地に伝わっておらず、本来の場所が一日ダブルブッキングになっていたらしい)

次の日、朝からすったもんだあったものの(本当にいろいろあり過ぎたので、多少割愛することにする)11時に本来の宿に入れるというから、その言葉を信じて宿を後にした。
しかし、その言葉を信じ切るのが怖かったので、13:00に別の村でアポがあったのだが、予定を変更して11:40頃に一度その宿の場所へ行った。不安が的中、部屋はひどく汚れていて、床は砂ぼこりだらけ、シーツの上にはたばこの灰、使用済みのタオルやごみ、バスルームは本当に汚くて、使用済みのトイレットペーパーもゴミ箱に溜まったままだった。
私はそのすべてを写真に収めて、まずは自分で掃除を始めた。待っていても始まらない。Wifiも電話もないから誰にも連絡もできない。自分でやるしかない!

ほうきを探してきて、床掃除、汚れたテーブルを拭いて、あらゆる汚れを感じる場所を水拭き、除菌クリーナーで拭くなどした。幸い荷物だけは届けてもらっていたから、ある程度のことはできた。すると私を前日宿まで案内した男性がやってきたので、状況を説明、シーツ等の交換と、バスルームの掃除だけでも何とかしてほしいと伝えた。そして、代金に含まれている朝食をどこでとるのか、含まれているはずのWifiはどうなっているのか?などを調べてもらうように伝えた。

しかし、結局、午後予定を済ませて宿に戻ったが何一つなされておらず、仕方がなく昨日泊まった山の上の集落まで向かった。不満をあらわにして事情を話し、撮った写真も見せた。普段怒りというものを表すことはまれだが、さすがにこの状況を何とかするには、怒りを表す以外に方法は無いように感じていた。

こちらの言い分も、掃除ができていないことも伝わり、すぐに掃除の人を送る、そしてシーツも交換する、と約束してくれ、朝食は朝6:00に届けると言われた。

ババジの元を訪問する予定だったがすでに約束の時間を過ぎていた。息を切らせながら到着すると、ババジはヒーリングのセッション中だった。私を部屋に入れて座らせたので、私はババジのヒーリングを見つめながら、少しずつ心身がクールダウンしていくのを感じた。

セッションが終わると、ババジが私を外へ連れだした。
いつも通りにこにこしながら、

「どうした?アーラティー?いつものシャンティがどこかへ消えてしまってるよ。君のドアをノックする音でいつもと違うエネルギーだとすぐわかったよ」

は~、静かにノックしたつもりだったのに、ババジには全部お見通しなんだな…と思った。

状況を話すと、「だからうちに来れば良いって言ったのに…」と苦笑気味に一言。最初から、ババジのアシュラムの空いている部屋に来たら良いと言われていたが、すでに予約済みの宿が全額入金済みでキャンセルできないと言って断ったのだ。

ババジはいつでもシャンティだ。
いつもハッピーで、純粋で、平穏で、愛であふれていて、ちょっとやんちゃだけど、いつも気持ちの奥深く、根底にはよどみのない澄んだ水面が広がっているようだ。だから一緒にいると安心する。自分もシャンティになれる。

私は、全ての理不尽な出来事に対する感情を手放すことに決めた。
ババジのように、シャンティであることを一番大事にしたいと思ったからだ。
もちろん、一般的に考えれば、払った代金のサービスが受けられていないのであれば、抗議したり、とことん話し合って相手に理解してもらうよう努力するべきかもしれない。でもそのためには、自分のシャンティを犠牲にしなければならないのであれば、その方が自分にとってマイナスだと思った。人は物質的なレベルの満足と、心の満足、スピリチュアルなレベルの満足と、違うレベルの満足を求めるものだ。一般的には物質的なレベルでの満足が一番優先されていて、それをベースに社会の仕組みは作られていると思う。でも、スピリチュアルなレベルの満足を優先するならば、不満や執着にとらわれていてはいけない。シャンティを保ったままこの状況をフォーカスし続けることは私にはできそうもないから、だから、ただシャンティであることを選ぼうと思った。

その晩、クリーニングのために人を送ると言われたが誰も来ず、私は汚れきったバスルームやトイレの掃除を行い、使用済みのシーツ類も取り外して、何とかあるもので寝られる状況を作った。
いつも通り部屋の一角の東向きにお寺を作り、お香を焚いた。不浄なものや自分の感情、ラジャスなエネルギーを全部浄化する気持ちで、部屋中に香を焚いた。

次の日の朝、朝食は届かなかった。
予想はしていたので、買っておいたフルーツを食べた。
ヨガをして、マントラを唱えて、身支度を整えて、ダライ・ラマ法王のティーチングへ向かった。その日は3日間のティーチングの初日で、たくさんの人が彼の教えを頂くために世界中からこの町に集まってきていた。

すがすがしい朝。私と同じように山を下りていく人たちは、皆ダライ・ラマ法王にお会いするのを心待ちにしているように見えた。

どんな状況でも、自分がマインドセットさえすればシャンティを感じることはできる。それは自分自身の選択次第。怒りや不満という執着をホールドしておくのか、手放して調和と許しの心を持つのか。それは自分自身の選択にゆだねられている。

くしくも、今日のティーチングの内容は、正にそのような内容を含んでいた。

最悪と思える状況から学んだこと、それは、

「いつでもシャンティであれ」ババジのように。

私は、人生中かけて、いつでもシャンティであれる自分を目指していこうと固く誓った。これは他の為でもあるし自分自身の為でもある。

長々と、最後までお読みくださった方、ありがとうございました。
あなたの心がいつもシャンティでありますように。


P.S.これは6月5日~8日に起こった出来事です。宿の場所の確認やピックアップの件などでメールでやり取りをしていた担当者に、このようなことが起こっていて困っていると伝えたところ、「いつでも宿から追い出す」という脅迫めいた返信が来てとても怖い思いをしました。後にその担当者が宿側の人間ではなく予約サイトの人間であることが分かり、二度とこのサイトは使わないと決めました。Book○ng.c○mというサイトで予約をするときは注意した方が良いと思います。また、十分に時間に余裕のある旅であれば、現地で条件の良い宿がもっと安い価格でほぼ間違いなく見つかります。ホテル以外の宿をサイトを通して予約するときは注意した方が良いと思います。)

Om S’anti.

ダライ・ラマ14世のティーチング2018 in ダラムサラ

ババジのチャクラヒーリング